アンリ・デュパルク(1848-1933)：年表

西暦	年齢	生涯	作品
1848	0	Marie Eugène Henri Fouques-Duparc 1月21日Parisパリで誕生。父Louis-Charlesはノルマンディー地方の由緒ある貴族の家系で、 Compagnie des chemins de fer de l'Ouestの専務。母Frédérique Amélie de Gaïtaもロレーヌ地方の貴族の家系で子供向けの宗教的な著作がある。
		Vaugirard街にあるイエズス会士が運営する学校で教育を受ける。ピアノ教師はセザール・フランクCésar Franckであり、彼からピアノおよび作曲を学ぶ。
1867	19	最初の作曲の試み。チェロとピアノのためのソナタ(未出版。破棄されたが断片が現存。)
1868	20		Chanson triste(高声, 変ホ長調, 献呈：Léon MacSwiney, 詩：Jean Lahor), Le galop(バリトン, ト短調, 献呈：作曲者の兄弟Arthur, 詩：Sully Prudhomme)
1869	21	フランクに献呈されたピアノ曲集"Feuilles volants(舞い落葉)"Op.1出版。ヴァイマルにリストを訪れ、そこでワグナーに会う。トリスタンおよびラインの黄金をダンディd'Indyとともに聴く。	Romance de Mignon(高声, ホ長調, 献呈：Arthur Coquard, 原詩：Johann Wolfgang von Goethe, "Kennst du das Land", 翻案：Victor Wilder) , Sérénade(中声, ト長調, 詩：Gabriel Marc), Soupir(高声, ニ短調, 献呈：作曲者の母, 詩：Sully Prudhomme)
1870	22	5つの歌曲作品2出版。ミュンヘンでヴァルキューレ初演に出席。	Au pays où se fait la guerre(中声, へ短調, 献呈：Eugénie Vergin, 詩：Théophile Gautier), L'invitation au voyage(高声, ハ短調, 献呈：作曲者の妻, 詩：Charles Baudelaire)
1871	23	11月9日 Ellen MacSwiney　と結婚。国民音楽協会設立。書記として参加。	La fuite(ソプラノとテノールの重唱), La vague et la cloche(中声, ホ短調, 献呈：Vincent d'Indy, 詩：François Coppée)
1872	24	10月20日 Marnesにて長男Marie Henri Charles誕生。
1873	25		Aux étoiles(3曲よりなるPoème nocturneの第1曲として)
1874	26	4月11日国民音楽協会にてPoème nocturne初演(第1曲が Aux étoiles として現存)。8月6日Parisの自宅(7 Avenue de Villars)で次男Marie Valentin Léon誕生。	Elégie(高声, ヘ短調, 献呈：Henri de Lassusの思い出に, 原詩：Thomas Moore, 翻訳：E. MacSwiney), 交響詩Lénore(Bürgerの同名のバラードに基づく)
1875	27	5月15日国民音楽協会にて交響詩Lénore初演。
1876	28		Au pays où se fait la guerre管弦楽版
1878	30		Extase(高声, ニ長調, 献呈：Camille Benoit, 詩：Jean Lahor)
1879	31	トリスタンの上演に出席。シャブリエとドイツ旅行。	Le manoir de Rosemonde(高声, ニ短調, 献呈：Robert de Bonnière, 詩：Robert de Bonnière)
1880	32	1880年から1885年まで夏のほとんどをMarnes-La-Coquetteで過ごす。
1881	33		Sérénade florentine(高声, ヘ長調, 献呈：Henri Cochin, 詩：Jean Lahor)
1882	34	冬をLa Bourbouleで過ごす。	モテットBenedicat vobis Dominus(混声三部合唱,オルガン伴奏), Phidylé(高声, 変イ長調, 献呈：Ernest Chausson, 詩：Leconte de Lisle)
1883	35	バイロイト訪問。	Lamento(高声, ニ短調, 献呈：Gabriel Fauré, 詩：Théophile Gautier), Testament(高声, ハ短調, 献呈：Henri de Lassus夫人, 詩：Armand Silvestre)
1884	36	この年から何回かアイルランドを旅行。Marnes-La-Coquetteの町長を1885年まで勤める。	La vie antérieure(高声, 変ホ長調, 献呈：Guy Ropartz, 詩：Charles Baudelaire), Extase改訂
1885	37	作曲をやめる。1897年までピレネー近郊のMoneinのVilla Florenceで過ごす。恐らくこの年に、作家のCharles de Bordeuの紹介で、Bordeuの住んでいたl'abbaye laïque d'Abosにて詩人のフランシス・ジャムFrancis Jammesに会う。
1886	38	バイロイト訪問。
1889	41	フランクの交響曲の献呈を受ける。
1892	44		Phidylé管弦楽版, Danse lente（オペラ「ルサルカ」(プーシキンに基づく)の一部。）
1894	46	歌曲集出版。
1895	47		L'invitation au voyage管弦楽版, 「ルサルカ」の作曲を断念。
1897	49	1897年から1906年までパリで過ごす。
1901	53		Testament管弦楽版
1902	54	ルルドLourdesへの最初の巡礼。啓示を受ける。	Soupir改訂。 Elégie改訂。
1906	58	視力の衰えが始まる。パリを離れる決意をする。クローデル、ジャムとともにルルドLourdes巡礼。
1907	59	スイスのLa Tour de Peilz (レマン湖畔Veveyの隣の村)に移住。8月の末頃にVilla Amélieへの引越しを済ませる。
1910	62		Aux étoiles改訂(-1912?)。
1911	63	作品全集の出版(歌曲13曲を含む)
1912	64	5月23日、Maubourguet近郊のVillefranqueにあるchâteau de Mondégouratに息子のCharles夫妻を訪ねる。 6月10日ルルドLourdes巡礼へ出発。6月13日、ポーPauで妻とともにJammes夫妻と娘のBernadette(4歳)、およびBordeu夫妻とその子供達と会食。	Chanson triste管弦楽版, Le manoir de Rosemonde管弦楽版, Danse lente改訂(-1917?)。
1913	65	5月3日château de Mondégouratに息子のCharles夫妻を訪ねる。6月16日妻とルルドLourdesへ出発。 8月末Villa Amélieを売却。La Tour de Peilzでの生活を終える。10月3日南仏のタルブTarbes着。ここに1919年まで住む。視力の悪化が進み、遺された手紙の筆跡は行が重なったり、インク切れに気づかないためにかすれたりして判読が困難なものになる。	Au pays où se fait la guerre決定版, La vague et la cloche管弦楽版, La vie antérieure管弦楽版
1917	69	3月22日Valse lente(=Danse lente)のオーケストレーションを妻、息子のCharlesの助けを借りて終える。(息子Charlesの手帳による)
1919	71	気温の寒暖の差が激しい気候で妻が健康を損ねたため、タルブTarbesを離れ、モン・ド・マルサンMont-de-Marsanに移る。
1921	73	2月17日Jammesの来訪を受ける。JammesがボルドーBordeauxでデュパルクについての講演を行う。
1923	75	10月30日～11月21日Jammes宛の最後の書簡を書く。緑内障の悪化のため視覚を喪う。
1924	76	8月12日緑内障の手術を受ける。
1933	85	2月12日Mont-de-Marsanで死去。

(2005.12.11公開,13,14,15,17,24,28,2006.1.3,6補筆修正,2007.1.12修正,2007.04.20プーシキン「ルサルカ」についての記述を訂正、参考文献を追加。4.21補筆修正。4.22作品表再公開。 5.6加筆, 5.18コメント追加, 5.19加筆および仏語原文追加, 6.19修正, 2024.5.16再公開)