2026年7月9日木曜日

ヴィーチェスラフ・ノヴァーク 作品リスト:作品番号なしの作品を含めた全作品

ヴィーチェスラフ・ノヴァークの作品目録は、ミロシュ・シュニエラーとルドミラ・ペジノヴァによって1999年に編纂され、目録には162の作品が含まれます。以下は、上記作品目録に基づいて書かれた、「ヴィテズラフ・ノヴァークの生涯と作品 (人物・性格・作風・作品目録・教育者として)」チェコ音楽人名事典系統項目(パベル・シコラ編、最終更新2016年1月13日)の作品目録を元にして、ヴィーチェスラフ・ノヴァークの作品と遺産の振興のための研究所の作品の年表(2026年7月現在は参照できません)を照合しながら作成しました。一部、誤記と思われる点を編集者の判断で修正しています。上記作品目録を直接参照できないため、作品目録番号は完全ではありません。またチェコ音楽人名事典の作品目録には、上記作品目録にも含まれない機会音楽的な作品が一部含まれていますが、以下にはそれも含めてあります。創作年に異同がある場合には、原則として人名事典の記述を優先していますが、一部について編者の判断で年表の記述に従った作品もあります。


1 ピアノのためのセレナード ロ短調 (1886-7)

2 ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテの詩によるピアノ伴奏歌曲「漁師」(1886-7)

3 ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテの詩によるピアノ伴奏歌曲「落ち着きのない愛」(1886-7)

4 ヤロスラフ・ヴルチリツキーの詩によるピアノ伴奏歌曲「ああ、ただ見て」(1888)

5 ヤロスラフ・ヴルチリツキーの詩によるピアノ伴奏歌曲「ただの思い出」(1888)

6 カール・テオドール・ケルナーの詩によるピアノ伴奏歌曲「春に」(1888)

7 ニコラウス・レーナウの詩によるピアノ伴奏歌曲「秋」(1888)

8 ピアノのための2つの瞑想「 我が父の思い出」(1888)

9 ピアノのための即興曲(1888)

10 ピアノのためのスケッチ「海賊」(1888)

11 ピアノのためのスケッチロ長調、マイ. K. H. マハによるテキスト付き(1888)

12 ピアノのためのスケッチ ロ短調(1888)

13 ピアノのための間奏曲第1番(1888)

14 ピアノのための間奏曲 (1888)

15 ハインリヒ・ハイネの詩によるピアノ伴奏歌曲「愛していたよ」(1889)

16 シャンソネット(ハンガリー風に)ト短調(1889)

17 ピアノのための奇想曲ト短調(1890)

18 ヨゼフ・ヴァーツラフ・スラデックの詩によるピアノ伴奏歌曲「あなたの胸の上で」(1891)

19 ヤロスラフ・クヴァピルの詩によるピアノ伴奏歌曲「秋のロンド」(1891)

20 ルドルフ・ポコルニーの詩によるピアノ伴奏歌曲「欲望」(1891)

21 シャーンドル・ペトフィの詩によるピアノ伴奏歌曲「私の上にあるもの」(1891)

22 ヨーゼフ・フライヘル・フォン・アイヒェンドルフの詩によるピアノ伴奏歌曲「夕べの田舎」(1891)

23 シャーンドル・ペトフィの詩によるピアノ伴奏歌曲「木になりたい」(1891)

24 ルドルフ・ハマーリングの詩によるピアノ伴奏歌曲「夢」(1891)

25 シャーンドル・ペトフィの詩によるピアノ伴奏歌曲「私の墓」(1891)

26 国民的な雰囲気の歌、スロバキアの民謡「そして山のために、山のために」の声とピアノ用編曲(1891)

27 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ニ短調(1891)

28 『海賊』(元・作品 2)、バイロン卿による同名の詩的な短編小説に基づいた管弦楽序曲(1892)

29 ピアノ、ヴァイオリン、チェロのためのト短調三重奏曲 作品1(元・作品3)、カール・シュテッカーに献呈(1892)

30 シューマンの主題による変奏曲(元来はシューマンの主題による変奏曲形式の即興曲、作品4)、ヨゼフ・イラーネクに献呈、1945年以降改訂(1893)

31 ホ短調バラード、作品2(元・作品5)、ゴードン・バイロンの戯曲「マンフレッド」に基づく、ヴィルヘルム・クルツに献呈(1893)

32 ヤロスラフ・ヴルチリキー、ヨーゼフ・ヴァーツラフ・スラデク、シャーンドル・ペトフィの詩によるピアノ伴奏歌曲集(元・作品4)(1893)

33 ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノのための四重奏曲ハ短調、作品7、1899年改訂(1894)

34 思い出 作品6 (元・作品8)、ピアノのための3つの小品、J.J.パレデフスキに献呈(1894)

35 小管弦楽のためのセレナード ヘ長調 (元・作品9)(1895)

36 ピアノ協奏曲ホ短調、オーケストラ伴奏付き(1895)

37 歓喜の夜(元・作品10、第1番)、女声合唱とピアノ、シャーンドル・ペトフィ作詞 / 『自然の中』(元 ・作品10, No. 2)、女性合唱団とピアノ、ヴィテスラフ・ハレク作詞(1895)

38 ピアノのための4つのセレナーデ 作品9 (元・作品11)(1895)

39 ヨーゼフ・ヴァーツラフ・スラデクの詩によるピアノ伴奏歌曲「晩年」(1896)

40 アドルフ・ヘイドゥクの詩によるピアノ伴奏歌曲「忘れて」(1896)

41 ヨーゼフ・ヴァーツラフ・スラデクの詩によるピアノ伴奏歌曲「夢」(1896)

42 ヨーゼフ・ヴァーツラフ・スラデクの詩によるピアノ伴奏歌曲「巡礼」(1896)

43 ルドルフ・マイヤーが作った詩によるピアノ伴奏歌曲「痛ましいメロディーが私の魂に響き渡る」(1896)

44 ヨーゼフ・ヴルバタ、ヤロスラフ・ヴルチリッキー、ヨーゼフ・ヴァーツラフ・スラデクの詩によるピアノ伴奏つき高声用の5つの歌曲集「心の童話 」Op. 8(1896)

45 ピアノのための5つの舟歌 Op. 10、ヨーゼフ・イラネクに献呈(1896)

46 「エクローグ」 作品11 (元は作品13)、4つのピアノ曲、ヨハネス・ブラームスに献呈(1896)

47 「夕暮れ時に」作品13(元は作品14)、4つのピアノ曲(1896)

48 75曲の民謡の採譜(1896)

49 ピアノ五重奏曲イ短調、作品12(元は作品15)(1896)

50 アドルフ・ヘイドゥク詩によるピアノ伴奏付の4つの歌曲集「ジプシーのメロディー」作品14(1897)

51 ピアノ連弾のための3つのボヘミア舞曲、作品15(1897)

52 モラヴィアの民謡の歌詞に民族的な雰囲気を添えた歌(1897)

53 モラヴィア民謡の詩による歌、作品16、シリーズI、声楽とピアノ(オーケストラ)、カレル・コヴァジョヴィッチ(ヨシュ・ウープルカ)に献呈(1897)

54 モラヴィア民謡の詩による歌、作品17、シリーズII、声楽とピアノ(オーケストラ)、レオシュ・ヤナーチェクに献呈(1897)

55 ピアノ五重奏曲イ短調、作品12(元は作品15)第2稿(1897)

56 舞曲の習作(元は作品17)(1898)

57 劇的序曲「マリシャ」作品18、ムルシュティーク兄弟による同名のドラマに基づく大管弦楽のための。「親愛なる友人アルとヴィル・ムルシュティーク」に献呈(1898)

58 モラヴィアの民謡の詩によるバラード 2 曲: ラノシャ、ザクレタ ドチェラ 作品 19、混成合唱と 4 手ピアノ伴奏 (オーケストラ)、カレル・クニットルに献呈(1898)

59 モラヴィア民謡の詩による歌、作品21、シリーズIII、声楽とピアノ(オーケストラ)、フランティシェク・マレシュに献呈(1898)

60 ヴァイオリンとピアノのための3つの小品、作品3、(元は作品5)(1899)

61 「我が五月」、作品20、4つのピアノ曲(1899)

62 弦楽四重奏曲第1番ト長調 作品22(1899)

63 ピアノのためのバガテル 作品5(1899)

64 オルガンのためのヤン・ミチュネクに捧げられたワラキアの愛の歌への前奏曲(1899)

65 ピアノ四重奏曲ハ短調、作品7 第2版

66 ヤロスラフ・ヴルチツキーの詩のドイツ語訳に基づいた中声とピアノのための 4 つの歌曲「春の気分」(1900)

67 モラヴィアの民謡の詩によるバラード 2 曲: 混声合唱と 4 手ピアノ (オーケストラ) のための「殺意に満ちた恋人」、「不幸な戦争」作品 23、「有名なブルノ フィルハーモニー協会」に献呈(1900)

68 ピアノのための「ソナタ・エロイカ」、作品24(1900)

69 スロバキアの歌曲、ピアノ伴奏付きのスロバキア民謡の編曲、第1巻、第1~15(1901)

70 「メランコリー」Op. 25、ピアノ伴奏付きの中声のための8曲の歌曲集、アントニン・ソヴァ、ヤロスラフ・クヴァピル、ヨーゼフ・スヴァトプルク・マシャールによる歌詞(1901)

71 2 つの合唱曲 「プリムラ・ヴェリス」「ヴェスペレ」、女性声楽とピアノ伴奏、ニコラウス・レーナウ、シャーンドル・ペトフィ作詞(1901)

72 25 曲のスロバキア民謡、ピアノ伴奏付き声楽(1901)

73 大管弦楽のための交響詩「タトラ山脈にて」作品26、(1902)

74 ピアノ三重奏曲ニ短調「バラード風に」op. 27(1902)

75 2つのバラード、作品28、中声とピアノのための曲、ヤン・ネルーダ作詞、マリア・ムシロヴァに献呈(1902)

76 ヤン・ネルーダ作「魂のバラード」Op. 29、ピアノ伴奏付きベースのための、アントニン・クラシュテルスキーの言葉、ヴァーツラフ・クリメントに献呈(1902)

77 「冬の夜の歌」、作品30、4つのピアノ曲(1902-03)

78 「新王国の谷」、作品31、高声部とピアノのための4つの歌、アントニーン・ソヴァ作詞、’編曲1931年(1903)

79 「スロヴァツカ組曲 」Op. 32、小オーケストラ(ピアノ)のための(1903)

80 「永遠の憧れについて」、作品33、ハンス・クリスチャン・アンデルセンに基づく大管弦楽のための交響詩(1903-05)

81 ピアノのための2つのワラキア舞曲、作品34(1904)

82 1904年2月15日のホフマイスター夫妻の結婚式に捧げられたユーモラスな随筆(1904)

83 弦楽四重奏曲第2番二長調 作品35(1905)

84 小管弦楽のためのセレナード ニ長調 作品36(1905)

85 6つの男性合唱曲、op. 37、アカペラ、ヤロスラフ・ヴルチリッキー、ヨーゼフ・ヴァーツラフ・スラデク、ヤロミール・ボレッキー、ヤン・ネルーダによる詩(1906)

86 「メランコリックな愛の歌」 Op. 38、ピアノ伴奏付き声楽のための 4 つの歌のサイクル、ヤロスラフ ヴルチリッキー、ヤロミール ボレッキー、ヤン ネルーダによる詩、ボジェナ トゥモヴァに献呈(1906)

87 「ノットゥルナ (夜の気分)」 Op. 39、ピアノ伴奏付きのドイツの詩人の詩による 8 曲のサイクル、カール・ブルケ、リヒャルト・デーメル、ルートヴィヒ・ヤコボウスキー、ヘルマン・リング、ルートヴィヒ・ウーランド、カール・グスタフ・フォルミュラー、オスカー・ウィーナーによる詩、および「子供の魔法の角笛」による(1906-08)

88 チェコの伝説に基づいた大管弦楽のための交響詩「トマンと森の乙女」作品40(1904-07)

89 大管弦楽のための交響詩「タトラ山脈にて」作品26、 改訂版(1907)

90 スロバキアの歌曲、ピアノ伴奏付きの声楽編曲、第2巻、第16~25番(1906-07)

91 ヤロスラフ・ヴルチリッキーによる悲劇の序曲「レディ・ゴディバ」Op. 41、(1907)

92 ピアノ連弾のためのニ長調のガヴォット(1907)

93 ピアノソナタ第 2 番の断片(1907)

94 「ニンナ - ナンナ」インドのメロディーによるピアノの子守唄、ロザリオに献呈(1907)

95 カンタータ「嵐」、作品42 スヴァトプルク・チェフ(1908~1910年)の同名の詩に基づく、大オーケストラ、独唱、混声合唱のための海の幻想曲(1908-10)

96 5楽章のピアノのための交響詩「パン(牧神)」、作品43(1910)

97 「祖国について」Op. 44、アカペラ男性合唱団8人、チェコとモラヴィアの民謡歌詞、ヨーゼフ・ヴァーツラフ・スラデク、ヤン・ボット、ペトル・ベズルチ、ボフミル・トジチカによる(1911)

98 「エグゾティコン」 作品45、ピアノのための小組曲(1911)

99 5楽章の管弦楽のための交響詩「パン」作品43(1912)

100 「エロティコン」作品46、声楽とピアノのための6つの歌、作詞:リチャード・デーメル、オットー・ユリウス・ビアバウム、フリードリヒ・ヘッベル、カール・ヘンチェル、マルティン・グライフ、オットー・E・ハルトレーベン、「私の花嫁」献呈(1912)

101 オタカール・ブジェジナの4つの詩、Op.無伴奏混声合唱団のための第47番、フラホール・ヴィノフラツキーに献呈(1912)

102 「婚礼のシャツ(幽霊の花嫁)」、作品48、カレル・ヤロミール・エルベンの独唱とオーケストラのためのバラード、1912年から1913年プラハ歌劇場に献呈。(1912-13)

103 『ズヴィコフスキー・ララーシェク』Op. 49、一幕物のコミック オペラ、台本はラディスラフ シュトロペジュニツキー(1914)

104  「カルルシュテイン」Op. 50、3 幕のオペラ、ヤロスラフ ヴルヒリッキーの喜劇『カルルシュテインの夜』に基づくオトカー フィッシャーの台本(1915-16)

105  「強さと反抗」Op. 51、アカペラ6人の男声合唱団のサイクル、ヤン・ネルーダ、ヨーゼフ・ヴァーツラフ・スラデク、フランチシェク・セラフィン・プロハースカ、ヨーゼフ・スヴァトプルク・マシャールによる歌詞、「チェコの作家」に献呈(1916-17)

106  「春」作品52、ヨゼフ・ヴァーツラフ・スラデクの詩による子供の世界の歌20曲、ピアノ(オーケストラ)伴奏付き、1918年「私たちの春」に献呈(1918)

107  3つのチェコの歌、作品53、男声合唱、大オーケストラとオルガンの伴奏、ヨゼフ・ヴァーツラフ・スラデクの作詞、1918年チェコスロバキア軍団に献呈(1918)

108  「TG マサリク」ヨシフ・スヴァトプルク・マチャールの同名の詩に基づく、オーケストラ伴奏(混声合唱とピアノ、ブラスバンド、単声合唱とハーモニウム)付きの男声合唱のための 2 つの歌(1918)

109  「チェコスロバキアの勝利者たちへ」カレル・マシェクの詩による祝賀行進曲、歌とピアノ(無伴奏男声合唱)(1918)

110 「シュテファニコヴァの死について」ルジェナ・イェセンスカーの詩による無伴奏男声合唱のための挽歌(1919)

111 ピアノのための6つのソナチネ 作品54(1919-20)

112  「青春」作品55、小さなピアノ曲、「私の妻」に献呈(1920)

113 『フランダースの野にて』、男声合唱アカペラ、ジョン・マクレー作詞(1919)

114 ズノイモ フィルハーモニー管弦楽団に捧げられた、無伴奏男声合唱のためのスロバキアの民謡 12 曲(1921)

115 「ランタン」 Op. 56、4 幕の音楽おとぎ話、アロイス ジラーセクにちなんだハヌシュ イェリネクの台本(1919-21)

116 「ピエシュチャニの歌」カレル・プリッカのコレクションからの声とピアノのための民謡の編曲、スラブカ・トンデローヴァに献呈(1922)

117 スロバキアの歌、声とピアノのための、第 3 巻、第 1 巻。 26–40、クリスティーナ モルフォヴァに献呈(1923)

118 ピアノ伴奏付きフォークソング「民謡の花束」(1923)

119 「祖父の遺産」作品57、3幕8場の交響的間奏曲を含む叙情的なオペラ。アドルフ・ヘイドゥクの同名の詩に基づくアントニーン・クラーシュテルスキーの台本(1923-25)

120 「ベドジフ・スメタナ」スメタナの祝典ファンファーレ(1924)

121 カール・ホフマイスターに捧げられた子守唄(1925)

122 ウィーンにおけるユニバーサル・エディション創立記念日に(1925)

123 スロバキアの歌、声とピアノのための、第 4 巻、第41〜50番、カレル・プリッカのコレクション「ピエスネ・ヴルチョフスケ」の曲、ジュリア・ワルデコヴァに献呈(1926)

124 スロバキアの歌 声とピアノのための、第5巻、第51~60番、カレル・プリツカの歌集『東スロバキアの歌』より、パベル・リュディカルに献呈(1926)

125 「母なるスラヴィアへ」無伴奏男声のための儀式用合唱団、アントニン・クラーシュテルスキー作(1927)

126 「シニョリーナ・ジョヴェントゥ」作品58、スヴァトプルク・チェフの同名のテーマに基づいたプロローグ付きの7つのシーンのバレエ・パントマイム(1926-28)

127 「ニコティナ」作品59、スヴァトプルク・チェフの同名の短編小説に基づいた7つの場面からなるバレエパントマイム(1929)

128 スロバキアの歌、声とピアノのための、第 VI 巻、第 1 巻。 61 ~ 80 年、パーヴェル ブラー (スラブカ トンデロヴァ ザトコヴァ) に献呈(1930)

129 スロバキアの歌、声とオーケストラのための 36 曲(1930)

130 「ニコティナ」オーケストラのためのバレエ組曲(1930)

131 ズデニェク・ネイェドリとオタカール・オストルチルに関する風刺作品、アカペラ男声合唱団、自作のテキスト(1930-31)

132 「人生より」作品60、モラヴィアの民謡の詩による20の無伴奏男性合唱曲(1932)

133  12の子守唄、作品61、モラヴィアの民謡の歌詞に基づく女声合唱アカペラ、アンナ・ポルマノヴァ=プレクリコヴァに献呈(1931)

134 「秋の交響曲」 Op. 62、男声と女声の合唱団による大オーケストラのための、ヴィテスラフ・ノヴァーク、ヤロミール・ボレッキーによるテキスト、モラヴィア民謡、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団に献呈(1931-34)

135 二つのロマンス Op. 63、オーケストラ伴奏付きの独唱(アルト、バリトン)、ヤン・ネルーダの詩による、マルタ・クラソヴァ、ズデニェク・オタフに献呈(1934)

136 「追悼」op. 65、弦楽オーケストラ、ハープ、タムタムの伴奏による中声のための4つの歌のサイクル、ペトル・クシチュカ、ヤロスラフ・ヴルチリッキー、ヤロミール・ウーリーシュによる歌詞、「親愛なる義理の妹アンドゥルカの思い出」に(1936-37)

137  大管弦楽のための「南ボヘミア組曲」、作品64(1936-37)

138  弦楽四重奏曲第3番ト長調 作品66(1938)

139 無伴奏男声合唱団のためのスヴァトプルク・チェフの「広い世界で誰も信用するな、そこには友達は一人もいない」(1938)

140 大オーケストラとオルガンのための交響詩「デ・プロフンディス」作品67(1941)

141 チェロとピアノのためのソナタ Op. 68、ジンドジフ・マースルに献呈(1941)

142 「故郷」Op. 69、6人の男声合唱団アカペラ、ヨーゼフ・ヴァーツラフ・スラデク、カレル・シェレパ、アントニン・ソヴァ作詞、ジンジチュフ・フラデツのスメタナ歌唱協会、カメニツェ・ナド・リポウ、ポチャトキー、ブルノのオーパス歌唱協会に献呈(1941)

143 「聖ヴァーツラフ三連祭壇画」作品70、オルガン(大オーケストラとオルガン)用、アントニーン・ストジーシュに献呈、(1941)オーケストレーション(1941)

144  無伴奏混声合唱団のための5つの混声合唱曲 Op. 71、カレル・ピピッチ=ハヴェルカ、ボフミル・クラトフヴィル、ラディスラフ・テサシュ、フランティシェク・ブラニスラフ、ヨーゼフ・メルハウトによるテキスト、チェコ合唱団・チェコ歌唱協会に献呈(1942)

145 「5月」作品72、ヤン・ネルーダとヨーゼフ・ヴァーツラフ・スラデックの詩による、子児童(女声)合唱のための無伴奏歌曲10曲、キューン児童合唱団に献呈(1942)

146 「山の女王」、アントニン・ストジーシュ詩によるアカペラ女性合唱団のための教会賛美歌(1942)

146b カレル・ホフマイスターの 75 歳の誕生日を祝う賛美歌。混声合唱とオルガンのために作曲され、作者のテキストによるもの(1943)

147 「5月の交響曲(春の交響曲)」Op. 73、カレル・ヒネク・マーハ、ヴィテスラフ・ハレク、フランチシェク・ブラニスラフの詩によるソリスト、混声合唱団、大オーケストラのための、「スラブ人の解放者ヨーゼフ・V・スターリン将軍」に献呈(1943)

148 モラヴィア民謡の詩による歌、作品74、シリーズIV、声楽とピアノ(オーケストラ)、マリア・バカロヴァ、マリア・タウベロヴァに献呈(1944)

149 モラヴィア民謡の詩による歌、作品75、シリーズV、声楽とピアノ(オーケストラ)、マリア・ヴォイトコヴァー、マリア・ブディコヴァーに献呈(1944)

150 モラヴィアの民謡の詩による2つの伝説、作品76、ピアノまたはオーケストラ伴奏付きの中声楽用、ズデニェク・オタフ、マルタ・クラーソヴァーに献呈(1944)

151 「春の笑い」カレル・アダムの詩による無伴奏児童(女声)合唱曲(1944)

151b ココシン渓谷の友人たちに時折冗談を言いながら作曲したもの。ヨーゼフ・クシチェクとボジェナ・ピヴォシェコヴァに献呈(1945)

152 トランペット3本、トロンボーン3本、ティンパニのためのファンファーレ。シムス教授に献呈(1945)

153 プラハの春音楽祭とチェコ フィルハーモニー管弦楽団創立 50 周年を記念して作曲された、トランペット 4 本、トロンボーン 4 本、ティンパニ、バスドラム、シンバル用の 3 つのジングル(1946)

154 「愛」マリー・ノヴァコヴァ詩による声とピアノのための歌曲(1946)

155 「南ボヘミアのモチーフ」 Op. 77、高声とピアノのための5曲、ヤルミラ・ハンザルコヴァ、マリー・ノヴァコヴァ、ヤン・チャレク作詞、「親愛なる両親の思い出」に献呈(1947)

156 4つの子守唄、作品78、マリー・ノヴァコヴァの詩による高声とピアノ(小オーケストラ)用、1947年「友の子供たち」に献呈(1948)

157 「ジシュカ。夜明けの潮目」 Op. 79、フランティシェク・ラシュリクによる劇の付随音楽(1948)

158 「ズリーンの労働者の歌」作品79、マリー・ノヴァコヴァ作詞の小カンタータ、混声合唱と管弦楽のための(1948)

159 チェコとモラヴィアの民謡、ヴィテスラフ・ノヴァーク提供のピアノ伴奏、第1番 - 8番: チェコの歌(1948)

160 チェコとモラヴィアの民謡、ヴィテスラフ・ノヴァーク提供のピアノ伴奏、第9番 - 16番: モラヴィアの歌(1948)

161 「星」女性合唱団と交響楽団(ピアノ)、マリー・ノヴァーコヴァによるテキスト(1949)

162 「天文時計では永遠の年は秒である」(未完成のカンタータ)(1949)

(2026.7.9 公開)

アラン・ペッテション 作品リスト

 本作品表は、Jean-Luc Caron, Allan Pettersson, destin, douleur et musique, L’Age d’homme, 2007 および Michael Kube, Allan Pettersson, Altantis, 2014 に基づいて作成しました。

 

ヴァイオリンとピアノのための2つのエレジー(1934)

構成:2楽章

  1. Andantino
  2. (速度指定なし)

演奏時間:5分

初演:記録なし


声楽とピアノのための6つの歌曲(1935)

構成:6曲

  1. カラスが死ぬと全ては静かになった(歌詞:グンナー・ビョルリング)
  2. 孤独の中の歌(歌詞:ダン・アンデション)
  3. 松と稲妻(歌詞:ステン・セランダー)
  4. 引退(歌詞:インゲボルグ・ビョルクルンド)
  5. 逃亡(歌詞:インゲボルグ・ビョルクルンド)
  6. 私の心は小さな子供を求めている(歌詞:ヤール・ヘマー)

演奏時間:約15分(2分+1分20秒+1分20秒+2分40秒+1分50秒+5分20秒)

初演:記録なし


ヴィオラ独奏のための幻想曲(1936)

献呈:ビョルン・シェーグレン

演奏時間:約3分

初演:1972年5月15日


ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための4つの即興曲(1936)

構成:4楽章

演奏時間:約10分30秒


弦楽四重奏曲(1936、未完成楽章)


ヴァイオリンとピアノのためのアンダンテ・エスプレッシーヴォ(1938年)

演奏時間:約2分30秒


ヴァイオリンとピアノのためのロマンツァ(1942)

構成:2楽章

献呈:オーケ・イェルヴィング

演奏時間:約3分


声楽とピアノのための24の裸足の歌(1943~1945、1960年代に改訂)

構成:24曲

  1. 嘆きの歌
  2. 賢く、そしてしっかり握れ
  3. 母は貧しい
  4. 愛は間違う
  5. 星と鉄格子
  6. なくした何か
  7. 花よ、語れ
  8. 冬の歌
  9. 大きくなるまで待って
  10. 乙女とそよ風
  11. 吟遊詩人の天国への旅
  12. 君は知っているだろう
  13. 嘘つき
  14. 主は牧場を行く
  15. 海辺の犬
  16. 些細な口論
  17. 私は考える
  18. 足元の花
  19. なくしたもの
  20. 私の憧れ
  21. さあ冬が来る
  22. 日曜の国にいる友達
  23. ハエが飛ぶ時に
  24. 光が消えていく

(歌詞:作曲者自身)

演奏時間:約60分(2分30秒+2分40秒+1分10秒+2分20秒+1分40秒+1分40秒+2分+1分30秒+2分+2分10秒+2分+2分10秒+1分40秒+2分10秒+2分10秒+2分30秒+0分45秒+1分30秒+2分10秒+2分10秒+1分40秒+2分30秒+2分10秒+2分)

初演:1月29日1952年(数曲)、エステルスンド(スウェーデン放送) 

トルステン・ヒシング(テノール)、レナルト・ルンデン(ピアノ)


ピアノのためのラメント (1945) 

献呈:トーレ・ウィバーグ

演奏時間:約2分30秒


オーボエ、クラリネット、ファゴットのためのフーガ ホ長調(1948)

演奏時間:約13分30秒

初演:1950年9月14日、ストックホルム(スウェーデン放送) 

トーレ・レンナーホルム(オーボエ)、トーレ・ヴェストランド(クラリネット)、トーレ・ロンネバック(ファゴット)


ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲第 1 番 (1949)

構成:3楽章

  1. Allegro moderato
  2. Lent, attaca
  3. Allegro moderato

演奏時間:約33分(6分+27分)

初演:1951年3月10日、ストックホルム(フィルキンゲン) 

ラース・フリデン(ヴァイオリン)、ソルダン・リッデルスタッド、カール=オロフニールマン、アクセル・ヨンソン、ベングト・エリクソン(弦楽四重奏団)


弦楽オーケストラのための協奏曲第1番 (1949–1950)

構成:3楽章

  1. Allegro, attaca
  2. Andante
  3. Largamente-Allegro

演奏時間:約21分(13分+8分)

初演:1952年4月6日、ストックホルム(スウェーデン王立音楽アカデミー) 

スウェーデン放送交響楽団、トール・マン


2つのヴァイオリンのための7つのソナタ (1951)

構成:7曲

演奏時間:約60分(約13分+約7分+約5分+約5分+約11分+約12分+約3分30秒)

初演: 1952 年 12 月 16 日 (第 3 番と第 7 番)、パリ (エコールノルマル音楽院)

モニーク・ジャンヌ&フランソワーズ・オンフォリー

1953 年 3 月 28 日 (第1番)、ストックホルム (フィルキンゲン)

マトラ・テムコとアンドール・サギ

1954 年 3 月 27 日 (第 2番と第6番)、ストックホルム (フィルキンゲン)

オットー・キンデルとセリア・オーメア

1957年4月19日(第3番・第7番)、ストックホルム(スウェーデン放送)

オットー・キンデル、セリア・オーメール

初演(スウェーデン放送):

1962年3月21日(第1番)、ストックホルム

1962年3月30日(第2番・第3番)、ストックホルム

1962年4月5日(第4番・第5番)、(第4番・第5番は初演)

1962年4月13日(第6番・第7番)、(第6番は初演)

エーリヒ・レーン、ベルンハルト・ハーマン

全曲初演:1999年2月14日、ストックホルム(歴史博物館)デュオ・ゲランド


交響曲第1番(1951、断片)

編成:2222 2220 1 4 0 チェレスタ 弦

補筆完成版:クリスチャン・リンドベリ

初演:2010年1月14日、ノールショッピング(デ・ゲーア・ホール)

ノールショーピング交響楽団、指揮:クリスチャン・リンドベリ


交響曲第2番(1952-53) 

献呈:作曲家より、トール・マンとスウェーデン放送協会への感謝を込めて

構成:単一楽章

編成:2222 2220 1 4 0 チェレスタ 弦

初演:1954年5月9日、ストックホルム(スウェーデン王立音楽アカデミー)

スウェーデン放送交響楽団、指揮:トール・マン



交響曲第3番(1954-55)

構成:4楽章

  1. Introduzione (Andante con moto) - Allegro con moto
  2. Largo con expressione, attaca
  3. Allegro comodo -  Allegro diciso, attaca
  4. Allegro con moto (Tempo di prima parte)

編成:3333 4331 1 2 0 弦

初演:1956年11月19日、イェーテボリ(コンサートホール)

イェーテボリ交響楽団、指揮:トール・マン


弦楽オーケストラのための協奏曲第2番(1956)

構成:3楽章

  1. Allegro
  2. Dolce e molto traquillo
  3. Allegro

演奏時間:約22~27分(7分+5分30秒+14分)

献呈:スウェーデン建設労働組合

初演:1968年12月1日、ストックホルム(スウェーデン王立音楽アカデミー)

スウェーデン放送交響楽団、指揮:スティグ・ウェステルベリ


弦楽オーケストラのための協奏曲第 3 番 (1956-57)

献呈:ラジオサービス社

構成:3楽章

  1. Allegro con moto
  2. Mesto
  3. Allegro con moto

演奏時間:約49分(17分30秒+29分+12分)

初演: 1958 年 3 月 14 日、ストックホルム (コンサートホール、スウェーデンラジオ)

トーア・マン指揮スウェーデン放送交響楽団


交響曲第4番 (1958-59)

構成:単一楽章

演奏時間:約38分

編成:3333 4331 1 8 0 チェレスタ 弦

初演: 1961 年 1 月 27 日、ストックホルム (スウェーデン王立音楽アカデミー)

ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、シックステン・エールリング


交響曲第5番 (1960-62)

献呈:スウェーデン放送交響楽団

構成:単一楽章

演奏時間:約42分

編成:2223 4331 1 1 0  弦

初演: 1963 年 11 月 8 日、ストックホルム (コンサート ホール、スウェーデンのラジオ)

スウェーデン放送交響楽団 、 スティグ・ヴェスターベリ


交響曲第6番 (1963-66)

献呈:スティグ・ヴェスターベルク

構成:単一楽章

演奏時間:約42分

編成:3233 4331 1 2 0  弦

初演: 1968年1月21日、ストックホルム(スウェーデン放送コンサートホール) 

スウェーデン放送交響楽団、スティグ・ヴェスターベリ指揮 - スウェーデン放送委嘱作品


交響曲第7番(1966-67年)

献呈:スウェーデン建設労働組合(自筆譜)、アンタル・ドラティ(印刷譜)

構成:単一楽章

演奏時間:約44分

編成:3233 4331 1 4 0  弦

初演:1968年10月13日、ストックホルム(コンサートホール)

ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、アンタル・ドラティ指揮


交響曲第8番(1968-1969年) 

献呈:ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団

構成:2楽章

  1. 二分音符=ca. 56
  2. 二分音符=ca. 42

演奏時間:約45~50分

編成:3233 4331 1 4 0  弦

初演:1972年2月23日、ストックホルム(コンサートホール)

ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、アンタル・ドラティ指揮


交響曲第9番(1970)

献呈:イェーテボリ交響楽団および首席指揮者セルジュ・コミッショナ

構成:単一楽章

演奏時間:約65~70分

編成:3233 4331 1 5 0  弦

初演:1971年2月18日、イェーテボリ(コンサートホール)

イェーテボリ管弦楽団協会委嘱(イェーテボリ市制350周年記念)


交響曲第10番(1972)

構成:単一楽章

演奏時間:約25分

編成:3233 4331 1 2 0 チェレスタ 弦

初演:1973年12月16日、ストックホルム(サーカス、テレビ収録) 

1974年1月14日(スウェーデンテレビ放送)スウェーデン放送交響楽団、アンタル・ドラティ指揮


交響曲第11番(1973)

献呈:ベルゲン音楽協会「ハルモニエン」

構成:単一楽章

演奏時間:約24分

編成:3233 4331 1 5 0 弦

初演:1974年10月24日、ベルゲン(コンサートパレード)

音楽協会「ハルモニエン」、カーステン・アンデルセン - ベルゲン音楽協会「ハルモニエン」委嘱作品


交響的楽章(1973)

献呈:ボリス・エングストローム

構成:単一楽章

演奏時間:約13分

編成:3233 4331 1 4 0 弦

初演:1976年12月24日、ストックホルム(スウェーデンテレビ放送)

スウェーデン放送交響楽団、スティグ・ウェステルベリ指揮 - スウェーデンテレビ委嘱作品


交響曲第12番(広場の死者たち)(1974)混声合唱とオーケストラのための

(歌詞:パブロ・ネルーダ)

献呈:ウプサラ大学および音楽監督カール・ルーン・ラーション

構成:9部

  1. 広場の死者
  2. 殺戮
  3. ニトラートの人々
  4. 死者
  5. 旗はどのようにして生まれるか
  6. 私は彼らに呼びかける
  7. 彼らはそこにいる
  8. いつも

演奏時間:約55分(10分30秒+8分30秒+5分+4分40秒+1分30秒+6分+6分40秒+3分20秒+8分)

編成:2222 4231 1 3 0 チェレスタ 弦 混声合唱

初演:1977年9月27日、ウプサラ(大学講堂) 

ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、ウプサラ・アカデミック室内合唱団、ストックホルム・フィルハーモニー合唱団、カール・ルーン・ラーソン – ウプサラ大学創立500周年記念委嘱作品


Vox Humana (人間の声)(1974) ソリスト、混声合唱団、弦楽オーケストラのための

 (歌詞: マヌエル・バンデイラ、ダニエル・ライネス、ロベルト・フェルナンデス・レタマール、セザール・バジェホ、ムリロ・メンデス、ニコラス・ギジェン、カッシアーノ・リカルド、ミゲル・バルネット、インディオの古代詩、パブロ・ネルーダ)

構成:3部(第1部14曲+第2部3曲+第3部1曲)

第1部:ラテン・アメリカの労働詩人の詩による

  1. 死の夜(マヌエル・バンデイラ):アルト独唱と弦楽合奏
  2. バラード(ダニエル・ライネス):無伴奏合唱
  3. ある一瞬のために(ロベルト・フェルナンデス・レタマール):ソプラノ独唱と弦楽合奏
  4. 一人の男が去っていく(セザール・バジェホ):バリトン独唱とヴィオラ、チェロ
  5. 悔い改めない男(ムリロ・メンデス):男声合唱と弦楽合奏
  6. 飢え(ニコラス・ギジェン):アルト独唱と男声合唱
  7. 新聞記事による詩(マヌエル・バンデイラ):無伴奏合唱
  8. 死んだ友への詩(カッシアーノ・リカルド):アルト独奏と弦楽合奏
  9. カフェでのスナップショット(マヌエル・バンデイラ):無伴奏合唱
  10. リンチ(ニコラス・ギジェン):男声合唱と弦楽合奏
  11. チェ(ミゲル・バルネット):ソプラノ独唱と弦楽合奏
  12. 侵攻した兵士の墓碑銘(ロベルト・フェルナンデス・レタマール):バリトン独唱と弦楽合奏
  13. 私の最後の詩(マヌエル・バンデイラ):テノール独唱と男声合唱
  14. 輝く幻影(ムリロ・メンデス):アルト独唱、バス独唱と弦楽合奏

第2部:インディオ詩人の古代の詩による

  1. 踊りの歌:バリトン独唱と弦楽合奏
  2. 裏切者への判決:男声合唱と弦楽合奏
  3. 私の母:バリトン独唱と弦楽合奏

第3部:大いなる喜び(パブロ・ネルーダ):バリトン独唱と弦楽合奏

演奏時間:約50分(34分30秒(2分+2分50秒+2分+4分50秒+2分30秒+2分+3分20秒+2分40秒+2分20秒+1分30秒+2分+2分30秒+3分)+4分(1分20秒+1分20秒+1分20秒)+9分30秒)

編成:ソプラノ・アルト・テノール・バリトン・バス独唱 混声合唱 弦楽合奏

初演:1976年3月19日、ストックホルム(コンサートホール) 

マリアンヌ・メルナス(ソプラノ)、マルゴット・レーディン(アルト)、スヴェン=エリック・アレクサンダーソン(テノール)、エルランド・ハーゲガルト (バリトン)、ラジオ合唱団、スウェーデン放送交響楽団、スティグ・ヴェスターベリ


交響曲第 13 番 (1976) 

献呈:ベルゲン音楽祭と音楽協会「ハルモニエン」および芸術監督カルステン アンデルセン

構成:単一楽章

演奏時間:約60分

編成:3233 4331 1 2 0 弦

初演: 1978 年 6 月 7 日、ベルゲン (グリーグハレン、スウェーデンテレビとスウェーデンラジオ)

音楽協会「ハルモニエン」、フランシス・トラヴィス - 1977 年の 25 周年記念としてベルゲンのフェストシュピーレン委員会からの委嘱作品(NOMUS 経由)


ヴァイオリン協奏曲第 2 番 (1977 ~ 78、改訂 1980) 

献呈:イダ・ヘンデル

構成:単一楽章

演奏時間:約55分

編成:3233 4331 1 2 0 弦 独奏ヴァイオリン

初演: 1980 年 1 月 25 日、ストックホルム (ベルワルドホール、スウェーデンテレビとスウェーデンラジオ)

イダ・ヘンデル(ヴァイオリン)、スウェーデン放送交響楽団、ヘルベルト・ブロムシュテット

初演(改訂版):1999年3月26日、ストックホルム(ベルヴァルトハーレン、スウェーデン放送)

イザベル・ファン・クーレン (ヴァイオリン) 、 スウェーデン放送交響楽団 、 トーマス・ダウスゴー


交響曲第14番 (1978)

構成:単一楽章

演奏時間:約48分

編成:3233 4331 1 4 0 チェレスタ 弦

初演:1981年11月26日、ストックホルム(コンセルトフーセット) 

セルジュ・コミッショナ指揮、ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団


交響曲第15番 (1978)

構成:単一楽章

演奏時間:約30分

編成:3233 4331 1 4 0 チェレスタ 弦

初演: 1982 年 11 月 19 日、ストックホルム (ベルワルドホール、スウェーデンテレビ、スウェーデンラジオ)

セルジュ・コミッショナ指揮、スウェーデン放送交響楽団


交響曲第16番(1979)アルトサクソフォンとオーケストラのための 

献呈:フレデリック・L・ヘムケ 

構成:単一楽章

演奏時間:約22分

編成:3233 4330 1 0 0 弦 独奏アルトサクソフォン

初演:1983年2月24日、ストックホルム(コンサートホール) 

フレデリック・L・ヘムケ(サックス)、ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、ユーリ・アーロノヴィッチ - フレデリック・L・ヘムケの委嘱作品


ヴィオラ協奏曲 (1979-80、断片)

構成:単一楽章

演奏時間:約30分

編成:2222 4230 1 0 0 弦 独奏ヴィオラ

初演:1988年9月24日、ベルリン(自由ベルリン放送、大ホール)

ユーリ・バシュメット (ヴィオラ)、ベルリン放送交響楽団、セルジュ・コミッショナ


交響曲第17番(1980、断片)

構成:単一楽章

演奏時間:約10分

編成:3233 4330 1 4 2 弦


2026年7月8日水曜日

ヨーナス・コッコネン 作品リスト

本作品表は、Edward Jurkowski, “The Music of Joonas Kokkonen”、Ashgate (2004) およびWebサイト:Music Finland (https://core.musicfinland.fi/) のコッコネンのエントリに基づいて作成された。作曲年代について異同がある場合には併記した。一方にしか含まれない作品もあるが、特記はせずいずれかに存在すれば記載することとし、適宜、独自調査結果を補っている。


1936年

古典様式の練習曲/ 編成: ピアノ


1938年

即興曲 Impromptu / 編成: ピアノ


1939年

Pielavesi / 編成: ピアノ


1940年

練習曲 Etude / 編成: ピアノ


? ゴールドと私 Kulta ja minä/ 編成: 声, ピアノ (Jurlowski では Lulta ja minä) 


1941年

言葉なしに Sans paroles/ 編成: 声, ピアノ


1943年

2つの小プレリュード/ 編成: ピアノ


メルヤ・シンガーズのための行進曲 Marssi Merjan Laulajille/ 編成: 合唱(楽譜喪失)


1941~1947年

エイナリ・ヴオレラの詩による3つの歌/ 編成: ソプラノ, ピアノ


1944年

アダージョ / 編成: 声, ピアノ


1948年

結婚行進曲 Häämarssi/ 編成: オルガン/ピアノ


1948/1949年

ヴァイオリン, チェロとピアノのための三重奏曲 / 編成: ヴァイオリン, チェロ, ピアノ


1950年

エルゼ・マッティラ作『Autereentie 13.B』のための音楽/ 編成: ヴァイオリン, ピアノ


1953年

常緑樹 Ikivihreä/ 編成: 混声合唱, 少女合唱, 少年合唱, ピアノ


1944~1953年

ウーノ・カイラの詩による4つの歌/ 編成: 声, ピアノ


1951~53年

ピアノ五重奏曲 / 編成: 2ヴァイオリン, ヴィオラ, チェロ, ピアノ


ソナチネ / 編成: ピアノ


1954/1957年

ソナタ Sonnatella/ 編成: ピアノ


1955年

二重奏曲 / 編成: ヴァイオリン, ピアノ


美しくも悲しい夜 Ihana, surullinen ilta / 編成: 声, ピアノ


夕方 Illat/  編成: 声, ピアノ


春の夕暮れ Kevätilta / 編成: 声, ピアノ


1956年

子供向けのクリスマスソング Joululauluja lapsille/ 編成: 混声合唱

子供向けのクリスマスソング Joululauluja lapsille// 編成: 1111 2000 00, 弦, 声

子供向けのクリスマスソング Joululauluja lapsille// 編成: 声, ピアノ


クリスマスに Jouluna / 編成: 声, ピアノ

クリスマスに Jouluna / 編成: 4ホルン, 3トランペット, 3トロンボーン, チューバ

クリスマスに Jouluna / 編成: 2222 2200 01, 弦, 声


レリジオーソ Religioso / 編成: ピアノ


1956/1966年

最も高価なクリスマスプレゼント Kallein joululahja/ 編成: 声, ピアノ


1957年

弦楽オーケストラのための音楽/ 編成: 弦


1958年

 前夜に Aattoiltana/ 編成: 声, ピアノ


ハウスシスターの歌 / ハウスシスターの行進 Kotisisarlaulu / Kotisisarten marsi/ 編成: 声, ピアノ


1958~1959年

鳥の冥府 Lintujen tuonela/ 編成: 2222 2200 10 0, 弦, メゾ・ソプラノ [2クラリネット in C, 2トランペット in C.]


弦楽四重奏曲第1番 / 編成: 2ヴァイオリン, ヴィオラ, チェロ


1958~1960年

交響曲第1番 / 編成: 3333 4330 10 0, 弦 [フルート+ピッコロ, イングリッシュ・ホルン, バス・クラリネット, コントラ・ファゴット.]


1960年

カレリアに敬意を表して Karjalan kunniaksi/ 編成: 男声合唱


1961年

交響曲第2番 / 編成: 3333 4330 10 1, 弦 [フルート+ピッコロ, アルト・フルート, イングリッシュ・ホルン, バス・クラリネット, コントラ・ファゴット.]


1961~1962年

12弦楽器のための室内交響曲 / 編成: 7ヴァイオリン, 2ヴィオラ, 2チェロ, コントラバス


1963年

無伴奏のミサ曲 / 編成: 混声合唱


雨の中のカエルの賛歌 Sammakon virsi sateen aikana/ 編成: 男声合唱


1964年

Opus sonorum / 編成: 2232 4320 00 0, ピアノ, 弦 [ピッコロ+フルート, バス・クラリネット.]


1966年

主をほめたたえよ Laudatio domini / 編成: 混声合唱, ソプラノ


伝説 Legenda / 編成: 声, ピアノ

伝説Legenda / 編成: 2222 2000 01 1,弦, 声 [ピッコロ, イングリッシュ・ホルン]


森のクリスマス Metsän joulu/ 編成: 声, ピアノ

森のクリスマスMetsän joulu/ 編成: 2222 2200 01 1,弦, 声 (ピッコロ, バス・クラリネット)


1964/1966年

木々に葉が茂っている Lehvillä puiden/ 編成: 男声合唱


1964~1966年

弦楽四重奏曲第2番I / 編成: 2ヴァイオリン, ヴィオラ, チェロ


1967年

交響曲第3番 / 編成: 4333 4330 12 1, ピアノ+チェレスタ, 弦 [ピッコロ+フルート, アルト・フルート, イングリッシュ・ホルン, バス・クラリネット, コントラ・ファゴット.]


1968年

結婚式の鐘 Hääsoitto/ 編成: オルガン


ヤルヴェンパー教会の鐘の音 Järvenpään kirkon kellosävelmät/ 編成: カリヨン


交響的スケッチ/ 編成: 弦 [2ピッコロ+2フルート, バス・クラリネット.]


1969年

エイミー Amy / 編成: ピアノ, フルート, トランペット, ギター, コントラバス, 打楽器


チェロ協奏曲 / 編成: 2232 4220 12 1, 弦, チェロ [ピッコロ+フルート, バス・クラリネット.]


挽歌 Surusoitto / 編成: オルガン


1968~1969年

5つのバガテル/ 編成: ピアノ


1969年/1970年

Erekhteion / 編成: 2222 4220 12 0, 弦, 混声合唱, 声 [フルート+ピッコロ.]


1970年

小協奏曲 / 編成: ピアノ, フルート, 弦楽合奏


1971年

就任式 Inauguratio / 編成: 3333 4330 13 1, 弦 [2フルート+2ピッコロ, イングリッシュ・ホルン, バス・クラリネット, コントラ・ファゴット.]


交響曲第4番 / 編成: 4333 4330 13 1, 弦 [アルト・フルート, イングリッシュ・ホルン, バス・クラリネット, コントラ・ファゴット.]




1972年

木管五重奏曲 / 編成: フルート, オーボエ, クラリネット, ファゴット, ホルン


1973年

バラの下で・秘かに Sub rosa / 編成: 声, ピアノ


「トンティロ・カンタータ」"Tontilo-kantaatti" / 編成: 声, ピアノ


1974年

永遠の光 Lux aeterna / 編成: オルガン


1976年

オペラ『最後の誘惑』からの2つのモノローグ/ 編成: 2232 4330 12 1, チェレスタ, 弦


1975~1976年

チェロ・ソナタ / 編成: チェロ, ピアノ


1973~1975年

オペラi『最後の誘惑』/ 編成: 2232 4330 12 1, チェレスタ, 弦, ダンサー, 12声 独唱, 混声合唱


1976年

弦楽四重奏曲第3番 / 編成: 2ヴァイオリン, ヴィオラ, チェロ


1976~1977年

「…鏡を通して…」"...durch einen Spiegel..." / 編成: 7ヴァイオリン, 2ヴィオラ, 2チェロ, コントラバス, チェンバロ

1977年

オペラ『最後の誘惑』からの間奏曲/ 編成: 2232 4330 12 1, チェレスタ, 弦


1978/1980年

老パーヴォの賛美歌 Ukko-Paavon virsi/ 編成: 木管合奏

パーヴォの賛美歌 Paavon virs/ 編成: 声, ピアノ


1979年

十字架の傍らで Iuxta crucem / 編成: オルガン


1980年

老パーヴォの賛美歌 Ukko-Paavon virsi / 編成: 児童合唱

老パーヴォの賛美歌 Ukko-Paavon virsi /  編成: 2242 4 433 30012 2 [バス・クラリネット]


1981年

草が伸びる音を聞いて Kuule kuinka ruoho kasvaa/ 編成: 声, ピアノ


レクイエム / 編成: 3333 4330 13 1, 弦, ソプラノ, バリトン, 混声合唱 [ピッコロ+フルート, アルト・フルート, イングリッシュ・ホルン in F, バス・クラリネット, コントラ・ファゴット.]


1982年

即興 Improvvisazione / 編成: ヴァイオリン, ピアノ


1984年

バッハのフーガの技法 Contrapunctus XI の編曲/ 編成: 2 フルート, 2 オーボエ, 2 イングリッシュ・ホルン, 2 ファゴット, 弦楽合奏


1985年

ヴァイナミョイネンは弾奏した Sormin soitti Väinämöinen/ 編成: 男声合唱


1987年

風景 Il paesaggio / 編成: 1111 1000 00 0, 小編成弦楽合奏(65432)


1989年

40歳のセッポ・キマネンとヨシコのためのミニ室内楽/ Pienen pieni kamarimusiikki 40-vuotiaalle Seppo Kimaselle sekä Yoshikolle 編成: ヴァイオリン, チェロ


1991年

成長せよ Crescat in G / 編成: チューバ


(2026.7.8 公開)

2026年7月7日火曜日

ペッテションにおける調的溶解の発展様式のマーラーとの比較——連続的劣化とカタストロフィー的遷移

 

序論

研究の背景と問い

交響曲という形式において、作品を貫く音楽的主体——生成の原理そのもの——は、作曲家が生涯を通じて経験する変容に応じて、どのような発展様式を辿るのか。本研究は、グスタフ・マーラーとアラン・ペッテションという、20世紀の交響曲に独自の刻印を残した二人の作曲家を対象に、この問いを定量的な調的分析を通じて経験的に検証する。

対象とするのは、マーラーの全交響曲(第1〜10番、および『大地の歌』)と、ペッテションの中期以降の交響曲群(第6〜16番)である。両者はいずれも、19世紀的な調性的統一性から距離を取りながら、独自の仕方で交響曲という形式と格闘した作曲家である。本研究は、両者の音楽的主体のあり方を対比的に検討することで、「調的溶解」という現象が辿りうる発展様式の多様性——なかでも、連続的な変化と不連続な遷移という、質的に異なる二つの様式——を明らかにすることを目的とする。

なお本研究は、マーラー単独の交響曲群を分析粒度の観点から検討した別稿(「マーラー全交響曲楽章の分析——分析粒度による音楽的主体の階層的構造の検証」)と対をなす研究プロジェクトの一部である。別稿では、全50楽章・全曲統合・主要楽章という3つの分析粒度を横断してマーラーの調的溶解を検証し、分析粒度が粗くなるほど経年トレンドの相関が強化されること、全曲統合分析における年代・編成タイプの明瞭な回収、主要楽章(Hauptsatz)分析が単なる中間粒度ではなくソナタ形式という構成原理と主体が対峙する場として独自の意義を持つこと、を確認した。本研究はこの知見を踏まえ、同じ粒度比較の枠組み(全曲統合・主要楽章)をペッテションとの比較に拡張する。

分析の視座

本研究では、MIDIデータから算出される定量的指標を解釈するにあたり、二つの理論的枠組みを援用する。分析手法の技術的詳細は次章(研究手法)に譲り、ここではその理論的な位置づけのみを述べる。

第一に、自由エネルギー原理(Free Energy Principle, FEP)における三層構造——生成モデルの安定性(層1)、状態空間における行動パターン(層2)、感覚入力の複雑性(層3)——を用いる。

第二に、カタストロフィー理論のcusp(尖点)モデルを用いる。この枠組みは、経年的な変化が常に滑らかな連続過程として進行するとは限らず、ある臨界点を境に不連続な遷移が生じうるという可能性を形式的に扱うために導入される。後述するように、マーラーとペッテションはこの点で対照的な軌跡を描く。

本研究の構成

本論では、(A) マーラー・ペッテション両者の全曲を統合した粒度、(B) マーラーについては各曲のHauptsatz(主要楽章)のみを取り出した粒度(ペッテションは全曲)、という2つの分析単位で結合PCAを実施する。ペッテションの交響曲は、今回の分析対象の中期以降の交響曲は第8番が2楽章形式という例外はあるものの、実質的には全て単一楽章形式と見做し得るため、いずれの場合でも全曲を一体とした分析を行った。同一の対比を(マーラーに関してのみだが)異なる粒度で検証することで、得られる知見——マーラーにおける連続的劣化とペッテションにおける破局的遷移という対比——が特定の分析設定に依存しない頑健な構造であるかを確認する。

続く各章の構成は以下の通りである。第I章「研究手法」では分析手法を詳述する。続く2節(A・B)では各粒度での結果を報告し、末尾でその含意をまとめる。結論部では、得られた知見を統合し、本研究の問いに対する回答を述べる。

研究手法

五度圏上の重心という考え方

本研究の分析手法の出発点は、ある瞬間(小節)に鳴っている音の集合を、五度圏上の一点として表現するというアイデアである。五度圏とは、Cから始めてG、D、A……と完全五度ずつ音を並べていくと12音すべてを一周する、調的な近さ・遠さを視覚化した円環である。隣り合う音は調的に近く、円環上で対極に位置する音(例えばCとF♯)は調的に遠い。

ある小節に複数の音が同時に鳴っている場合、それらの音を五度圏上の点として配置し、その「重心」(平均的な位置)を計算する。この重心は、その小節がどの調的領域に位置しているかを要約する一種の座標として機能する。曲全体にわたってこの重心を小節ごとに計算し続けることで、楽曲が五度圏上をどのように移動していくかという軌跡が得られる。この軌跡の形状——どのくらい活発に動くか、どのくらい広い範囲を巡るか、特定の領域に留まりがちか——が、本研究における「調的な安定性」あるいは「調的な溶解」を測る基礎データとなる。

円環上での重心計算には、単純な数値(角度やピッチクラス番号)としての平均では扱えない周期性の問題がある。本研究では、各音を最初から五度圏の単位円上の(x, y)座標として表現することで、この問題を回避している。この座標系においては、複数の音の重心は通常の算術平均(x座標の平均・y座標の平均)としてそのまま計算でき、重心からの距離(半径r)が調的な収束度を表す指標として自然に得られる。

サンプリングの単位と対象範囲

分析はMIDIデータから小節単位で行う。各小節に含まれる全ての音(ピッチクラス)を五度圏上に投影し、重心とその関連量を計算する。ただし、単一の音や2音のみで構成される小節は、和声的な情報量が乏しく、テクスチュアの薄さそのものが調的指標を歪めるノイズ源となりうるため、3音以上(PC≥3)を含む小節のみを分析対象とするフィルタを適用している。単音・二音の小節が持つテクスチュア上の特徴は、別途Harmonic_Coverage等の指標で捕捉される。

分析対象となる楽章・作品の範囲は、マーラーに関しては本研究の各セクションで異なるが、ペッテションの側は共通である。全曲統合分析(A)ではマーラーの各曲の全楽章を連結したものを、主要楽章分析(B)ではマーラーの交響曲の各曲のHauptsatz(多くは第1楽章。ただしマーラー第5番は第2楽章Stürmisch bewegtを採用)のみを、それぞれサンプリング単位とする。ペッテションの交響曲は(B)(A)いずれにおいても全曲を単位とする。

9つの基本特徴量

各分析単位(楽章または作品)について、以下の9つの指標を算出する。これらは大きく「位置・広がり」を表す指標と、「動き」を表す指標の2群に分けられる。

位置・広がりを表す指標

  • Avg_r(平均重心半径):各小節の重心が、五度圏の中心からどの程度離れているかの平均値。値が大きいほど、単一の調に強く収束していることを意味する。

  • SD_r(重心半径の標準偏差):Avg_rの曲内でのばらつき。調的な収束の度合いが曲中でどれだけ変動するかを示す。

  • Tonal_Focus(調的集中度):曲全体を通じて、重心がどの程度特定の調的領域に集中しているかを表す総合指標。

  • Spatial_Dispersion(空間分散度):重心が五度圏上でどれだけ広い範囲に分布しているかを表す。

  • PC_Density(ピッチクラス密度):各小節に含まれる異なるピッチクラスの平均数。同時に鳴る音の多様性を表す。

動きを表す指標

  • Avg_Step(平均ステップ幅):隣り合う小節間で、重心が五度圏上をどれだけ移動したか(角度差)の平均値。値が大きいほど、調的な移動が激しいことを意味する。

  • Step_Rate_100(100小節あたりステップ量):Avg_Stepを曲の長さで正規化した指標。曲の長さによらない比較を可能にする。

  • Harmonic_Coverage(和声被覆率):曲全体を通じて、五度圏上のどれだけの範囲(割合)が実際に使用されたかを表す。

  • Texture_Volatility(テクスチュア揺らぎ):同時に鳴る音の数(テクスチュアの厚み)が、小節ごとにどれだけ変動するかを表す。

なお、これらとは別にWinding_Rate_100(五度圏上での回転方向を考慮した累積移動量)という補助指標も算出しているが、複数楽章を連結した際に楽章境界での人為的な接続が値を歪めやすいという性質があるため、PCA本体には含めず、補足的な検証にのみ使用している。

PCAとクラスタリングの設定

上記9指標(またはその一部)を標準化したうえで、主成分分析(PCA)により2次元(PC1・PC2)に圧縮する。PC1・PC2の意味づけ(何が「正」で何が「負」を意味するか)は、分析対象となるデータセットの構成によって変わりうる。これはPCAという手法自体の性質——主成分の向きは統計的に決まるが、正負の符号は数学的に恣意的である——によるものであり、本研究では各分析セクションの冒頭で、その都度、負荷量(各指標がPC1・PC2にどの程度・どの方向に寄与しているか)を明示することで、符号の意味を確定させている。

作品・楽章のグルーピングには、PC1・PC2平面上でのk-meansクラスタリングを用いる。クラスタ数kは、対象とする作品群の理論的に想定される区分数(本研究では主にk=4)に基づいて設定している。

統計的検定

作曲年代とPCAスコアとの関係は、Pearsonの積率相関係数(線形関係の強さ)とSpearmanの順位相関係数(単調関係の強さ、外れ値や非線形性に頑健)の両方を算出し、併記する。作曲家間の比較では、独立2群のt検定によりPC1平均値の差の有意性を検証する。有意水準は特に断りのない限り5%とする。


A. 全曲統合での比較


図1:マーラー(赤)・ペッテション(青)の交響曲の全曲統合での五度圏和声重心軌道のPCA分析結果。作品間を有効グラフで連結して時系列の変化を示した。

符号規約に関する注記

本データセットの負荷量は、Avg_r = +1.003、Spatial_Dispersion = +0.961、Avg_Step = −0.963、PC_Density = −0.967、Texture_Volatility = −0.842であり、正のPC1=調的安定性、負のPC1=調的溶解を意味する。これはマーラー単独での作品レベル分析(別稿参照)と同方向の符号だが、楽章レベル・主要楽章レベルでの分析とは逆であり、本稿内でも都度確認を要する。

手法

マーラー全11曲(第1〜10番+大地の歌)およびペッテション全11曲(第6〜16番)を、各曲の全楽章を統合した22データ点として扱い、統一9指標セットに基づく結合PCAを実施した。

1. 作曲家間の分離:明確かつ強固


PC1範囲

Mahler

+0.542 〜 +3.001

Pettersson

−4.440 〜 +1.019

t検定:t = 5.771, p = 0.000012。両者はPC1軸上で強く有意に分離しており、マーラー作品群が調的安定側(正)に、ペッテション作品群が調的溶解側(負)に偏って分布する。この構図は、本研究の理論的類型論——マーラー=肥大化した近代的主体、ペッテション=損傷した主体——とPC1軸の方向性が整合することを示している。

2. マーラー晩期とペッテション初期の重なり

両者は完全に分離しているわけではなく、境界領域に重なりが見られる。

PC1

マーラー最晩期

Sym9

0.542


Sym10

0.542

ペッテション Stage I

Sym6

0.011


Sym7

0.884


Sym8

1.019

マーラーの到達点(晩期)とペッテションの出発点(Stage I)が、PC1上でほぼ同じ帯域に位置する。これは、ペッテションの音楽的主体が、マーラーが生涯をかけて到達した調的溶解の水準からすでに出発していることを示唆する。

3. マーラー:連続的劣化

マーラーはPC1と作曲順の間に強く有意な負の相関を示す(Pearson r = −0.887, p = 0.0003; Spearman ρ = −0.927, p < 0.0001)。結合PCA空間内でもこの単調減少傾向は保持されており、マーラー単独での分析(別稿)と同様の連続的・漸進的な調的溶解過程が確認できる。

4. ペッテション:破局的遷移

これに対しペッテションは、単独でのPC1と交響曲番号の相関が有意水準に届かない(Pearson r = −0.587, p = 0.058; Spearman ρ = −0.509, p = 0.110)。マーラーのような滑らかな単調減少ではなく、段階的なジャンプを伴う非線形な軌道を描く。

段階

PC1平均

Stage I

6, 7, 8

+0.638

転換期I

9

−0.648

Stage III

10, 11

−4.379

転換期II

12

−3.572

Stage V

13–16

−2.375

転換期I(−0.648)からStage III(−4.379)への落差は**−3.731ポイント**という極端な跳躍であり、その後は転換期II・Stage Vにかけて−2〜−3台へと部分的に回復・再安定化する。これは連続的・線形的な劣化ではなく、ある閾値を境に一気に異なる状態へ遷移し、その後新しい水準で再安定化するという挙動であり、カタストロフィー理論的なcusp型遷移パターンと形式的に符合する。

解釈:発展様式の質的相違

マーラーとペッテションは、PC1軸上での調的溶解という共通の方向性を持ちながら、その経年的発展様式において質的に異なる。マーラーにおける生成モデルの劣化は、作曲年代を追うごとに滑らかに進行する連続的過程であり、FEP的には生成モデルの精度パラメータが漸進的に低下していく描像に対応する。一方ペッテションにおいては、Stage IからStage IIIへの遷移が示すように、ある種の臨界点を境に生成モデルが急激に異なる状態へと移行し、その後新たな(劣化した)状態で再安定化するという非連続的・破局的な過程が観察される。

この対比は、両者の音楽的主体の存在様式そのものの違いを反映していると考えられる。マーラーの「肥大化した近代的主体」は、可能な限り連続性を保ちながら自らの生成モデルを更新し続けようとする主体であるのに対し、ペッテションの「損傷した主体」は、ある臨界点において既存のモデルを維持しきれず崩壊し、破局的な再編成を経て新しい(しかし損傷した)水準での存在を続ける主体として特徴づけられる。


B. 主要楽章での比較


図2:マーラー(赤)の交響曲の主要楽章のみ・ペッテション(青)の交響曲での五度圏和声重心軌道のPCA分析結果。作品間を有効グラフで連結して時系列の変化を示した。

符号規約に関する注記

本データセットの負荷量は、Avg_r = +0.998、Spatial_Dispersion = +0.918、Avg_Step = −0.982、Step_Rate_100 = −0.983、PC_Density = −0.932であり、正のPC1=調的安定性、負のPC1=調的溶解を意味する。既述のAとも同方向であり、この点は結合分析(A・B)を通じて共通している。

手法

マーラーの全交響曲の主要楽章11曲(Hauptsatz)およびペッテションの中期以降の交響曲、つまり第6~第16交響曲の11曲全曲を、22データ点として扱い、統一9指標セットに基づく結合PCAを実施した。マーラー側での主要楽章の選定基準は、マーラー単独での主要楽章分析(別稿)と同一である。ペッテションの交響曲の作品選択も、ペッテション単独での分析(別稿)と同一である。

1. 作曲家間の分離:粒度不変性の確認


A(全曲統合)

B(主要楽章)

t検定(Mahler vs Pettersson, PC1)

t=5.771, p=0.000012

t=4.998, p=0.000069

Mahler PC1範囲

+0.542〜+3.001

−0.244〜+4.470

Pettersson PC1範囲

−4.440〜+1.019

−4.076〜+1.090

主要楽章のみに絞っても作曲家間の分離は同等に強固である。ただしMahler_Sym10-1(第10番第1楽章、アダージョ)がわずかに負の値(−0.244)まで沈み込み、全曲統合分析には見られなかった軽微な越境が生じている。これは第10番第1楽章が持つ、全曲平均を上回る半音階的・実験的な性格を反映していると考えられ、両分析の基本構図を崩すものではない。

2. マーラー:年代相関はやや弱まるが有意性は維持


Pearson r

p

Spearman ρ

p

A(全曲統合)

−0.887

0.0003

−0.927

<0.0001

B(主要楽章)

−0.791

0.0038

−0.818

0.0021

単一楽章に絞ると相関はやや弱まるが、依然として強く有意である。これは、マーラー単独分析(別稿)で確認された粒度依存性のパターン(集約が進むほど相関が先鋭化する)と同型であり、結合分析においても再現された。

なお主要楽章のみで見ると、マーラーの軌道は必ずしも単調ではない。第7番(0.273)で一旦谷を作った後、第8番(1.606)・大地の歌(2.398)でPC1が再上昇し、その後第9番(0.678)・第10番(−0.244)で急落するというジグザグが見られる。これは、マーラー単独での主要楽章分析(別稿)で確認された「4番が初期群から離脱し8番・大地の歌側に合流する」構造——Hauptsatzがソナタ原理に対して取る構造的態度の質的差異——が、結合分析空間でも一貫して現れていることを示す。

3. ペッテション:破局的ジャンプは分析粒度を問わず再現

段階別PC1平均は以下の通り。

段階

A(全曲統合)PC1平均

B(主要楽章)PC1平均

Stage I (6-8)

+0.638

+0.716

転換期I (9)

−0.648

−0.770

Stage III (10-11)

−4.379

−3.982

転換期II (12)

−3.572

−3.370

Stage V (13-16)

−2.375

−2.310

転換期I→Stage IIIの落差は、全曲統合で−3.731、主要楽章のみで**−3.212**とほぼ同規模で再現される。段階ごとのプロファイル(Stage Iで正、転換期Iで軽度に負転、Stage IIIで急落、その後転換期II・Stage Vにかけて部分的に回復)という定性的パターンも完全に一致する。

ペッテション単独でのPC1対番号の相関は、主要楽章のみではPearson r=−0.619, p=0.042とぎりぎり有意に転じる(全曲統合ではp=0.058で非有意)が、Spearman順位相関は両分析で完全に同一の値(ρ=−0.509, p=0.110)である。作品間の相対的順位構造が両分析で完全に保存されていることは、線形相関の有意性の僅かな揺れが、あくまで非線形な破局的遷移パターン自体の反映であることを裏付ける。

解釈:粒度不変性としての破局的遷移

この一致が示す最も重要な点は、Stage IIIへの破局的遷移という知見が、分析単位(楽章統合か主要楽章単独か)に依存しないロバストな構造であるということである。 単一楽章分析でも同じ規模の跳躍が現れるということは、この遷移が特定楽章の異常値によるアーティファクトではなく、Stage III期の作曲様式そのものに根差した質的変化であることを強く示唆する。

これは、別稿(マーラー単独分析)で確立した粒度不変性の検証原則——複数の分析単位を通じて再現される構造のみをロバストな知見とみなす基準——を、マーラーとの結合分析という枠組みの中でも再確認するものである。マーラーの連続的劣化・ペッテションの破局的遷移という対比は、単一の分析粒度に依存した見かけ上の結果ではなく、分析単位を横断して観察される構造的事実として位置づけられる。


まとめ:連続的劣化とカタストロフィー的遷移——二つの発展様式の理論的定式化


第2部では、マーラー全11曲とペッテション全11曲(第6〜16番)を対象に、マーラーの交響曲について(A) 全曲統合、(B) 主要楽章、という2つの粒度で、ペッテションの交響曲(こちらは常に全曲)との結合PCAを実施した。ここでは両分析を横断して得られた知見を統合し、両作曲家の音楽的主体が示す発展様式の質的差異を、カタストロフィー理論とFEP三層構造の観点から理論的に定式化する。

1. 分離の頑健性——粒度を問わない作曲家間の境界


A(全曲統合)

B(主要楽章)

t検定(PC1)

t=5.771, p=0.000012

t=4.998, p=0.000069

マーラーとペッテションはPC1軸上で強く有意に分離しており、この分離は分析粒度に依存しない。これは、別稿(マーラー単独分析)で確立した粒度不変性の原則——ロバストな構造的知見は分析単位を変えても再現されるべきである——が、単一作曲家内の分析だけでなく、作曲家間の比較という枠組みにおいても成立することを示す。

同時に、両者の分布には境界領域での重なりが確認された。マーラー最晩期(第9・10番)とペッテションStage I(第6〜8番)がPC1上でほぼ同じ帯域に位置するという事実は、示唆的である。ペッテションの音楽的主体は、マーラーが生涯をかけて到達した調的溶解の水準から出発している。 この関係は、両者を単純に「安定から溶解へ」という単一の尺度上に並べる直線的な発展史観を許さない。むしろペッテションは、マーラー的主体が最終的に到達した状態を初期条件として引き受けたうえで、そこからさらに独自の——そして質的に異なる——崩壊過程へと進んでいく主体として位置づけられる。

2. 二つの発展様式

マーラー:連続的劣化

マーラーのPC1は作曲順に対して強く有意な単調減少相関を示し(A: Spearman ρ=−0.927;B: ρ=−0.818)、この傾向は全曲統合・主要楽章の両粒度で一貫している。別稿(マーラー単独分析)で確認された滑らかな経年的トレンドが、ペッテションという比較対象を導入した結合分析空間においても保持される。これは、生成モデルの精度パラメータが時間とともに漸進的に低下していく、連続的な劣化過程として記述できる。

ペッテション:破局的遷移

これに対しペッテションは、単独でのPC1対番号相関が弱い、あるいは境界的にしか有意とならない(A: p=0.058;B: p=0.042)。段階別に見ると、転換期I(第9番)からStage III(第10・11番)への落差は、Aで−3.731、Bで−3.212と、両粒度でほぼ同規模の跳躍として再現される。この後、転換期II・Stage Vにかけて値は部分的に回復し、新しい水準で再安定化する。

Spearman順位相関がAとBで完全に同一の値(ρ=−0.509, p=0.110)を示した事実は特筆に値する。これは、作品間の相対的な順位構造——どの曲がどの曲より調的に安定または不安定か——が分析粒度によらず完全に保存されていることを意味し、線形相関の有意性の微妙な揺れが、経年トレンドそのものの不在ではなく、非線形・非単調な軌道の反映であることを裏付けている。

3. カタストロフィー理論による定式化

この対比は、カタストロフィー理論のcusp(尖点)モデルによって形式的に整理できる。マーラーの軌道が状態空間上の滑らかな曲面に沿った連続的な移動として描けるのに対し、ペッテションの軌道は、ある制御パラメータ(作曲年代、あるいはそれに伴う生成モデルへの負荷)が臨界値を超えた地点で、安定状態から離れた別の安定状態へと不連続に「飛ぶ」——fold(折り目)を越える——挙動として記述される。転換期I(第9番)は、この折り目に接近しつつある不安定な移行段階に相当し、Stage III(第10・11番)への急落は、系がもはや旧来の安定状態を維持できずfold surfaceの下葉へと落下する過程として理解できる。その後の転換期II・Stage Vにおける部分的回復は、系が新しい(より低い)安定状態の周辺で再び平衡を見出す過程に対応する。

このモデルは、単なる比喩ではなく、両粒度で再現された「転換期Iから Stage IIIへの一定規模の跳躍」という定量的事実によって裏づけられている。

4. FEP三層構造による統合的解釈

本研究で導入したFEP三層構造の観点から見ると、両者の相違は層1・層2(生成モデルの安定性・状態空間における行動パターン)の変化様式そのものの違いとして捉えられる。

マーラーの「肥大化した近代的主体」は、生成モデルの精度低下という不可避の過程に直面しながらも、各作品を経るごとにモデルを漸進的に更新し続け、破局的な崩壊を回避しようとする。この意味で、マーラーの主体は最後まで「連続性を保とうとする」動的努力の軌跡として記述できる。

これに対しペッテションの「損傷した主体」は、Stage Iにおいて(マーラー晩期に匹敵する水準ではあるが)一定の安定性を保持していたのが、転換期Iを境にその安定性を維持しきれなくなり、Stage IIIで生成モデルそのものが崩壊的に再編成される。その後の部分的回復(転換期II・Stage V)は、崩壊した生成モデルが、崩壊以前とは異なる、より低い精度水準において新たな均衡を模索する過程として理解できる。「損傷」とは、単なる一方向的な劣化ではなく、破局的な崩壊とそれに続く不完全な再統合という、cusp型のダイナミクスそのものを指す、という定式化が、本研究の結合分析によって定量的に裏付けられたことになる。

5. 総括

第2部の結合分析は、マーラーとペッテションという二つの音楽的主体が、共通の調的溶解という大きな方向性を共有しながらも、その経年的発展様式において根本的に異なる力学に従うことを示した。マーラーは連続的劣化という滑らかな曲面上の運動として、ペッテションはStage IIIを折り目とするcusp型の破局的遷移として、それぞれ異なる幾何学によって記述される。この対比は分析粒度(全曲統合/主要楽章)を問わず頑健に再現されており、単一の分析設定に依存する偶然の産物ではなく、両作曲家の生成モデルが辿る構造的差異そのものを反映していると結論づけられる。

この「発展様式そのものが作曲家によって異なる幾何学に従う」という知見は、別稿で確立した「分析粒度が音楽的主体の階層的構造を異なる解像度で露呈させる」という知見と合わせて、交響曲的思考における音楽的主体が、単一の尺度や単一の物語に還元されない、多層的かつ多様式的な存在様式を持つことを、定量的・理論的の両面から示すものである。


結論

本研究が明らかにしたこと

本研究は、マーラーとペッテションという二人の作曲家の交響曲群を対象に、全曲統合・主要楽章という2つの分析粒度から結合PCAを実施し、両者の音楽的主体が辿る発展様式を比較検討した。得られた知見は以下の三点に集約される。

第一に、両者はPC1軸上で強く有意に分離する(A: t=5.771, p=0.000012;B: t=4.998, p=0.000069)。この分離は分析粒度に依存せず頑健であり、マーラーの「肥大化した近代的主体」とペッテションの「損傷した主体」という理論的類型論を、定量的に裏付けるものである。同時に、マーラー最晩期とペッテションStage Iの間にPC1上での重なりが確認され、ペッテションの音楽的主体がマーラーの到達点から出発していることが示唆された。

第二に、両者の発展様式は質的に異なる。マーラーの調的溶解は作曲年代を通じて滑らかに進行する連続的過程である(A: Spearman ρ=−0.927;B: ρ=−0.818、いずれも有意)。これに対しペッテションは、転換期IからStage IIIへの急激な跳躍(A: −3.731、B: −3.212)を伴う破局的な遷移を示し、その後転換期II・Stage Vにかけて新しい水準で部分的に再安定化する。

第三に、このペッテションの破局的遷移という知見は、分析粒度を問わず再現される頑健な構造である。全曲統合と主要楽章という異なる時間解像度で、転換期IからStage IIIへの落差がほぼ同規模で確認されたことは、この遷移が特定楽章のアーティファクトではなく、Stage III期の作曲様式そのものに根差した質的変化であることを強く示唆する。

理論的定式化

マーラーとペッテションの対比は、カタストロフィー理論のcusp(尖点)モデルによって形式的に整理できる。マーラーの軌道が状態空間上の滑らかな曲面に沿った連続的な移動として描けるのに対し、ペッテションの軌道は、制御パラメータ(作曲年代、あるいはそれに伴う生成モデルへの負荷)が臨界値を超えた地点で、安定状態から離れた別の安定状態へと不連続に「飛ぶ」——foldを越える——挙動として記述される。転換期Iはこの折り目に接近しつつある不安定な移行段階に相当し、Stage IIIへの急落は、系が旧来の安定状態を維持できずfold surfaceの下葉へと落下する過程として理解できる。

FEP三層構造の観点からは、マーラーの主体が「連続性を保とうとする動的努力」として、ペッテションの主体が「崩壊とそれに続く不完全な再統合」として、それぞれ異なる幾何学に従うことが定式化される。

限界と今後の課題

本研究にはいくつかの限界がある。第一に、対象をマーラーとペッテションの2人に限定しており、他の作曲家との比較は行っていない。MIDIデータの可用性という制約から、ショスタコーヴィチ・シュニトケへの拡張は現実的でない。ブルックナー・シベリウスは主要楽章分析ではある程度網羅的な検討が可能だが、全曲(全楽章)を対象とする分析への拡張は困難である。交響曲という形式を離れ、創作史全体を横断できるという観点に立てば、ピアノソナタや室内楽まで対象を広げた上でのブラームスが、現実的な候補として挙げられる程度に留まる。

第二に、ペッテションのStage IIIへの跳躍という現象は、カタストロフィー理論のcuspモデルによって形式的に記述されたが、実際のcusp方程式への定量的なフィッティングには至っていない。この跳躍を、作曲年代を制御パラメータとする実際のcusp catastrophe surfaceに当てはめ、fold(折り目)の位置や急峻さを定量化することは、今後の重要な発展方向である。ただしサンプル数(11)の制限からも、単純なカスプ曲面へのフィッテイングは現実的でない。従って、何らかのかたちでカスプが要求する位相構造をどこまで満たしているかを検証する方法を検討する必要がある。

現時点で検討しているのは、別途FEPとの関連を分析するために設定した、ピッチクラスの音数密度、ロバストネス、重み付き予測誤差の3次元からなる相空間での作品内部の軌道について、作品毎の統計量を求めて状態空間軌道を構成し、その軌道のトポロジーを分析することによりアプローチすることを考えている。そこでの仮説は、例えば以下のような形を採るものと予想される。「第9番から第10番への遷移において、状態空間軌道の速度・加速度・曲率が同時に極値を示す。このことは、作品系列が二つの安定領域を結ぶ臨界遷移を含むことを示唆し、その位相構造は cusp catastrophe が要求する幾何学と整合的である。 」

第三に、本研究で用いた9指標はいずれも五度圏上の重心軌跡から導出されるマクロな統計量であり、軌跡そのもの——特にStage III前後での重心軌跡の内部的な変化過程——を直接分析対象とするものではない。この内部軌道に対するカタストロフィー理論的な分析(急激な遷移点や分岐構造の検出)は、Stage IIIの跳躍という現象をより精緻に理解するための有力な方向である。

(2026.7.7 公開)